だいこん



だいこん
だいこん

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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ご馳走ですが

 テンポが良いので楽しく読み終えることが出来ました。
 でも、読み終わって、こういう種類の小説は長い間、読んだことがなかったなあという気持ちが強いです。どういう読者を想定しているのかなという疑問がわいてきました。作品に文句を言っているのではないですよ。ミステリーとか企業物を主として読んできたわたしのような読者には普段めったに見ない「NHKの朝ドラマ」をしっかり見てしまったような、あるいは「座り慣れない椅子でご馳走を食べたような気分」と言ったらいいでしょうか、そんな異質な気分になりました。
江戸の世界に浸りました


タイトルの「だいこん」は、主人公の「つばき」が開く職人向けの料理屋の名前だ。つばきは借金を抱えた大工の家庭に生まれたが、持ち前の料理と商売の才覚を元に、自分の店を立ち上げて発展させていく。

但し本書はつばきの成功ではなく、江戸の庶民の生活を丁寧に描くことに主眼を置いているような気がする。父親の安治の大工としての日常生活、博打にはまって苦労する姿、江戸の大火事の恐ろしさなどが生き生きと描かれており、気づいたらその世界に浸ってしまう。

ただ、若干の不満はつばきが店の発展と妹達の幸せを優先させるために、自己を犠牲にしている部分だ。作者には是非、この続編を書いてほしい。そしてつばきが一生の伴侶を得て女としての幸せを得る姿を見せてほしい。
致命的な史実の間違い

1764年、主人公つばきの誕生から始まるこの物語には、隅田川に架かる吾妻橋がつばき10歳までの間にしばしば登場し、重要な舞台装置となっている。ところが吾妻橋の架かったのは1774年。架空の時代小説とはいえこれでは物語が成立しない。山本氏のみならず連載した「小説宝石」編集部の常識が疑われる。
商売のバイブル

江戸・深川・市井の商売人と山本氏のお得意のフィールドですが、
この本もまた小さな商いを営む者にとって、たくさんの「基本」を
教えてくれています。氏の著作を読むたびに味わうことのできる
ほのぼのとした心の温もりと、誠実に生きる人が放つ爽快感、そして
商売を営んでいく事の難しさと厳しさは、この本からも当然に溢れ出
ていて、本当に嬉しくなりました。
出来うることならば、だいこんで一度食事をしてみたい (^o^)/
今も昔も変わらない。

江戸時代の、ごくありふれた庶民の生き様を鮮やかに描いた快作。

父親の失態が元で貧困生活を強いられながら、
それでも家族の絆を大切にし、互いを支えあう主人公・つばき。
やがて天才的な料理と商売の才覚を見出し、当時では異例だったであろう、
女性が経営する一膳飯屋を興すまでの物語。
縦横に時系列が展開され、一気に話の中に引きずり込まれてしまう。

家族の絆。そして何気ない触れ合いのなかで生まれる他人との縁。
それらを謙虚に受け止め、大切にすることが、人として爽快に生きる
秘訣であることを、そっと教えてくれた一冊だったと思う。



光文社
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だいこん

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